黒板とチョ-クの歴史、雑学をわかりやすく

2021/03/04

黒板 

黒板の歴史、チョ-クの歴史


今なお教育現場において、黒板は教室になくてはならない存在です。

ここで黒板の歴史を少し覗いてみましょう。

1810年代にフランスからアメリカに黒板が伝わり普及しました。この黒板の機能に目を付けたのがウエストポイント陸軍士官学校で軍事工学の教鞭をとっていたクロ-ゼ教授でした。彼の黒板を使用しての教育方法は効果を上げ非常に評判になりました。

日本においては明治初期にアメリカ経由で持ち込まれたと言われています。明治時代以前の日本では、寺子屋で「塗版」と呼ばれる小さな板を使って授業をしていましたが、1872年に東京で師範学校(教師育成学校)が開校した際に、アメリカ人のスコット氏が当時アメリカで実践されていた学校教育システムを日本教育界に伝授する際、教科書や教育関連機器を取り寄せた中に、黒板とチョ-クがあったそうです。

ちなみに、この当時の黒板は実際に黒色をしており、英語の「black board」が直訳され「黒板」と呼ばれるようになったそうです。その後師範学校の卒業生らによって日本全国に黒板は広まりました。

また大正時代になると、生徒の自主性を養うために、生徒にも黒板に筆記させるスタイルが生まれ、次第に黒板は大型化し、教室の正面と背面のそれぞれに固定されるようになりました。

ホワイトボ-ドや電子黒板は、今やオフィスの必需品といえ普及していますが、今なお教育現場の学校では黒板が圧倒的に多いです。黒板に比べホワイトボ-ドは光を反射しやすく、生徒の席によっては見えにくいのも、学校においての黒板の支持率が高い理由の一つです。

 

 

続いて黒板には欠かせないチョ-クの歴史も少し覗いてみましょう。

チョ-クは白墨(日本語のチョ-クの呼び名)の原料であります「白亜」、俗に言います白色で柔らかい石灰岩のことです。14000万年前から6400万年前を白亜紀と呼び、この頃形成された地層から産出されています。この白亜の主要な原産地がイギリスです。海岸沿いに白亜層が分布しており、古くからヨ-ロッパの建物(城など)の材料として使われていました。

こうした背景から19世紀初期のイギリスで建築材料に使用される石灰岩で、白い線が引けることが知られるようになり、筆記用具として使用されるようになりました。その後使いやすさ重視の観点から、フランスでこの石灰岩の粉末を焼いて水に溶かし、棒状に固め、チョ-クの原型が作られました。日本では明治6年に大阪に初めてチョ-クが輸入され、明治8年に日本で初の国産チョ-クが完成、明治34年には純国産のチョ-クが誕生しました。

ここで一つチョ-クにまつわる心温まるエピソ-ドをご紹介します。昨今日本の魅力や日本の技術を世界に届ける番組が多くある中で、チョ-クも例外ではありません。

 ホワイトボ-ドや電子黒板がメジャ-な中で、かたくなに黒板とチョ-クを使い続ける人たちがいます。「世界の名だたる数学者たち」です。常に難解な数式や図式の解答を求めるのにあたり、黒板は彼らにとって最高のツ-ルなのです。

そして、数学者たちが最高と絶賛するのが、日本の羽衣文具が発売した「HAGOROMOフルタッチ」チョ-クです。ただ残念なことに、後継者不在を理由に80年余りの歴史に幕を下ろしました。これに嘆いたのが世界中の数学者たちだったのです。廃業が発表になると同社にチョ-クの注文が殺到し、数学者たちはチョ-クの買いだめに走ったようです。

 

 

なぜ黒板は緑色?


先に述べましたように、黒板は英語の「black board」の直訳とされ「黒板」と呼ばれるようになりましたが、私達の知る黒板の色は何色でしょうか?

そうです。黒色ではない緑色なのです。

ただ実際に黒板が学校に登場した当初は、黒色でした。当時の黒板は漆器の技法を用いて木の板に墨汁や柿渋、漆を塗ったものでした。しかし面板が光を反射するため大変見づらく、耐久性も弱いものでした。また黒の染料を入手するのが困難であったことも、黒板が黒色から緑色に変わった一因と言えます。

緑色が選ばれたのには、緑には心を落ち着かせる効果があることや、目が疲れにくいといった理由が関係しているようです。昭和初期には緑色の黒板を使用し、1945年の戦後には、緑色の黒板を使う学校が増え、全国に定着していったようです。

といいますのも、戦後「ベビーブーム」により1クラスに60人近くがいるすし詰め状態であったことも大いに関係があります。また窓からの光が黒板で反射し、文字が読みにくくまたチョ-クの白い字が緑色の方が見やすいといった理由も挙げられます。

 

 

どうして黒板は少し曲がっているのか?


黒板と呼ぶのに緑色の謎に続いて、もう一つの疑問、黒板はなぜ真っすぐではないのか、この謎にも迫ってみましょう。

黒板が真っすぐではない理由に、採光による黒板の板面の反射や文字の見づらさを防ぐために、板面の左右もしくは片側がカーブしています。

ここで質問です。「教室を入って左側・右側どちらに黒板はありますか?」

おそらく教室の西側、教室に入って右側にあるのではないでしょうか?と言いますのも約8割の学校で、西側に黒板の間取りを採用しているのです。

西側に黒板を採用する理由に、採光がとれるには南向きの窓が最適であることそしてとりわけ日本人に多い右利き、この右利きの腕が机の上で影にならないように西側に黒板が設置されています。

 

 

なぜ石灰?チョ-クと呼ぶ理由


チョ-クの歴史で触れましたが、チョ-クの原料は白亜、白色で柔らかい石灰岩です。このチョ-クは、硫酸カルシウム製と炭酸カルシウム製の2種類の成分があり、それぞれに特徴がありますが、後者のチョ-クは、黒板消しで消した時に粉が飛び散りにくく、折れにくい為近年人気があり、また昨今のエコ、リサイクルの観点からも大変注目されています。

エコ、リサイクルの観点からある2つの企業の試みをご紹介します。

①日本理化学工業株式会社…日本のホタテ漁業において大量の貝殻が廃棄物となり、処理に困る社会問題が話題になったことから、北海道立工業試験場と共同研究を重ね、ホタテの貝殻からチョ-クを再生することに成功しました。ホタテの貝殻によるチョ-クは消しても埃がたちにくいことから「ダストレスチョ-ク」として販売されています。

②キユ-ピ- 年間約2.8万トン発生する卵の殻を自社で使うだけでなく、様々な業界に供給しています。カルシウムが豊富な卵殻を粉にし、高齢者食やベビーフードに活用したり、チョ-クの原料に活用したりと、卵の殻を廃棄することなく、便利な卵は形を変えて大切な資源として利用しています。

 

 

まとめ


 ホワイトボ-ドや電子黒板が多く見られる中で、こと学校においては、黒板とチョ-クは今も昔も変わらず存在します。昨今のDIYブ-ムにより、家庭においても黒板シートを活用しての部屋のリフォ-ムやコンパクトサイズの黒板を設置しておしゃれなインテリアとして利用するなど、黒板の魅力が学校以外でも再認識されています。

黒板をカレンダ-変わりにしたり、また親子でのコミュニケーションツールの一つとして活用してみるのも良いでしょう。手書きのメッセ-ジがあると、嬉しいものです。また子供はごっこ遊びが大好きです。黒板を使っての学校先生ごっこを始め、お子様の学習意欲を高めるそんなツ-ルにしても良いでしょう。

家庭においても黒板の魅力再認識しませんか?