音楽を正しく使って勉強時間を有意義にしましょう

2021/12/23

音楽

 

勉強中に音楽を聴くのは一般的によく行われている行為ですが、残念ながら、これは科学的には間違った方法なのです。

勉強中のBGMは効率を上げるどころか、勉強の邪魔にしかなりません。

BGMで勉強がはかどったという体験をされたことがある人は多いでしょう。

これは、音楽が自身の気分を改善させるからです。

好きな曲を聴くと、人間の脳内にはドーパミンやアドレナリンといった物質が増加します。

ドーパミンとアドレナリン両方とも交感神経が優位の時に分泌され、脳や体を興奮状態にします。

ドーパミンは人には「幸福感」を感じさせ、アドレナリンは人には「やる気」を感じさせます。

なお2つは、まったく別の物質ではなく「ドーパミン」が変化したものが「アドレナリン」であるという関係性にあります。

どちらも人間のモチベ-ションや活力に関わる脳内ホルモンで、私たちのテンションを一気にあげてポジティブな気分に変えてくれます。

しかし、この段階ではあくまで気分が良くなっただけです。

脳の働きまで向上したわけではないのですが、前向きな感情になったことで、まるで作業効率まで上がったかのように勘違いしてしまうのです。

では、学習効率を上げるために音楽をどのように利用すると良いのでしょうか?

イギリスウェ-ルズ大学が考案した方法で「ミュ-ジック・ウォ-ムアップ・テクニック」があります。

やり方はとても簡単です。

1勉強の10分前までに好きな曲を聴く。

2音楽を止めて勉強を始める。

3

勉強の休憩中にまた好きな曲を聴く。

2.3,の繰り返しで学習を進めることで、音楽のメリットを最大限に生かせることが出来るでしょう。

ちなみに自身の集中力がもっとあればと落胆することもあるでしょう。

ただし、人間の脳の構造上集中しにくいようになっているのです。

そしてやっかいなのは、集中しなければと思えば思うほどかえって気が散るような仕組みになっているのです。

つまり人間はもともと集中するのが難しい生き物なのです。

と言いますものも、人間は生命を維持し、子孫を守るために脳が集中しにくい仕組みとなっているのです。

人間が簡単に集中して、周囲が見えないほど作業に没頭するようになると、周囲に危険が迫ったり自身の子供が危険にさらされたりしても気づくことが出来なくなってしまうからです。

話は戻りますが、BGMは勉強の邪魔にしかならないと述べましたが、「自然音」だけは脳の注意力を上げますので、大いに取り入れるべきです。

風の音や鳥の鳴き声といった「自然音」なら、逆に人間の注意力を上げてくれます。

「自然音」の特長は、人間にとって程よい集中力を保つのに役立ちます。

私たちの脳は、リラックスしすぎると気が緩んでしまい注意力が続かなく散漫状態になります、逆に興奮が大きすぎれば集中しすぎて視野が狭まってしまいます。

その点で、「自然音」は人体のリラックスと興奮のシステムへ同時に働きかけ、両者のバランスを適正に調整する作用を持っています。

ではなぜ「自然音」はこうも人間の脳に良い働きかけをしてくれるのでしょうか。

皆さんは、「1/fゆらぎ」(エフぶんのいちゆらぎ)をご存じでしょうか?

1/fゆらぎは自然界の音などに含まれるリズムのことで、この1/fゆらぎを感じると心地よさや癒し、集中力アップなどの効果が期待できると言われています。

つまり勉強に応用すれば、集中力が上がり、学習効率も良くなるというわけです。

1/fゆらぎは、波の音や雨音、小鳥のさえずりといった自然音や、モノに含まれるリズムの揺らぎ方の規則性と意外性が混ざり合っている1/fゆらぎは、人間の心拍と同じリズムを刻んでいるのが特徴です。

この1/fゆらぎを耳から目から感じると、安心感や癒し、集中力がアップされるといわれています。

ちなみにゆらぎは音量や速度などの周期を測定したときに生じる予測できないズレの事を言い、例えば打ち寄せる波の音は決して同じ間隔では訪れません、少し間があくかなと思うと、次には波音は立て続けに訪れたりと規則性があるようでないような現象が繰り返されます。

この予測できないようなズレである揺らぎは人には安らぎや心地よさを感じさせるのです。

この1/fゆらぎのある環境では、人間の脳内に、α波(アルファ-波)を発生させます。

このα波とは、リラックスしているときや集中しているときに見られる脳内の波形です。

ちなみに1/fゆらぎは自然界の音のみならず、音楽、ことクラシック音楽にはこの1/fゆらぎを感じることが出来ます。

例えばモーツアルトやベートベンが挙げられます。

また世の中にはこの1/fゆらぎの声を持つ歌手も存在し、美空ひばりさん、宇多田ヒカルさん、MISIAさんが一例です。

また人はリラックスする時にα波をいう脳波が出ていますが、α波以外にも複数の脳波が存在します。

θ波(シータ波)という脳波があり、記憶を司る脳の部位「海馬」との関係が強く、眠気のあるときや勉強または作業に集中しているときなどに発生します。

θ波の効果としては、記憶力を高めることが出来ます。

このθ波を出す方法としては、15-20分程度の昼寝をしたり、瞑想をすることでθ波を出すことが出来ます。

自身にとってぴったりのBGMが見つかるといいですね!